面会

元夫、お義母さんに会ってきました。

案外何事も無かったように振る舞えました。彼等も、わたしも。

わたしは、前と何も変わらないような顔をしながら、それを馬鹿らしいと思いながら、でも、人として生きるって、きっとこういうことだと、自分の置かれた状況を妙に俯瞰して見てたりもしました。
娘には、この、妙な大人たちの関係はどう映っているのかなと、そんなことも考えていました。

どう映っているのかはさておき、娘は嬉しそうに、楽しそうにそこにいて、彼等もそれに満足していたようです。

わたしは何となく、務めを果たすような気持ちでいて、今回の目的は達成できたと思っていました。

彼が「次」を口にするまでは。

それは当たり前のことなのでしょう。別れた父娘の面会が一度きりなわけはありません。
ただ、わたしとしては、この一回を決意できるようになるまで、随分時間が掛かったし、この一回でその後のことが簡単になったわけでもない。

今回、お義母さんのためという趣旨で、かなりの決意で出向いたわたしの気持ちや意向などというものは、彼にとって何の意味も無いのだということを思い知り、自分の浅はかさを呪いました。

急にどんよりとした気持ちになり、彼が怖くなり、もうその後は目を合わせられませんでした。

それでも、やはり会って良かったのだと思います。娘が変わらず彼等を好きでいること、彼等が娘を大事に思っていること、お互いがちゃんと確認できたのだから。